2013年03月16日

治験薬の温度管理の記録方法はどこまでやればいいの?

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<< 質問 >>322p

質問番号:2012-46 治験薬の温度管理の記録方法

当院では、治験依頼者毎の温度管理に対する様々な要求に対応するため、以下の要件を満たす治験温度ロガーを導入しました。

・1年に1回の機器の校正と、校正証明書の発行
・温度測定だけでなく、記録できるデータロガー
・停電に備え、バックアップ機能付き
・10分間隔での測定
・温度逸脱や機器故障の際、即座にアラーム発報
・数分経ってもアラーム解除されない場合のメール送信(夜間・土日祝日の対応のため)
・ログは画面上でも確認出来るが、CRAの確認・写し提供のため月1回のプリントアウト
・月に数回、機器が正常に作動していることを確認


導入後、いくつかの治験依頼者より、治験薬取扱手順書に記載があるということから、以下を要求されました。

・ログのプリントアウトを1ヵ月毎よりも頻度を上げる
・1日に1回は、人による温度逸脱の確認が必要
・毎日確認した担保として確認日時とサインで記録が必要
・1日の最低値・最高値が一目で分からず、取扱手順書の要件を満たさないため、手順書に記載の様式しか認めない
・取扱手順書に温度記録書(様式○)とあり、それ以外の様式は認めない

GCPのガイダンス(旧:運用通知)の第39条に「手順書に従い」とありますが、当院としては治験薬管理の原理原則を大きく超えての過剰な対応と考えております。

製薬協医薬品評価委員会として、上記の要求に対するご意見をお聞かせください。

また今後、施設側の温度管理に対する、製薬協の見解の統一は考えていらっしゃいますでしょうか。



<< 製薬協の見解 >>

治験薬保管場所の温度チェック及びその記録の方法については、GCPにおいて明確な基準は示されていません。

しかし、その目的が、治験薬管理手順書に記載された保存条件に従って適切に治験薬を管理すること及びその事実を第三者にも説明できることであることを考えますと、重要なポイントは以下のような点注)であると思われます。

・保存条件からの逸脱が生じた場合に、それを感知できること
・逸脱の程度(最大温度差)と期間(時間、日数)が把握できること
・逸脱の発生を治験薬管理者が速やかに知り、対応できること
・アラーム及び電子メールシステムを利用している場合には、当該機器・システムが定期的にテスト・メンテナンスされていること



一般論としましては、貴院に導入されている温度管理システムは上記ポイントをカバーしているものと考えますが、逸脱感知の精度をどの程度に設定するか等の詳細な管理方法につきましては、治験実施計画書の規定(投与スケジュール等)及び治験薬の特性に依存するところが大きいものと思われます。

したがいまして、貴院での温度チェック及びその記録で不十分とされた点につきましては、治験依頼者にその理由を確認したうえで、対応を協議されることをお勧めします。

なお、上記のような理由により、製薬協としての治験薬保管場所の温度チェック及びその記録の方法についての統一基準は示せませんが、回答のような考え方を示していくことで、加盟会社が過剰な対応を要求することがないよう、啓発をしていきたいと考えます。


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ラベル:治験薬
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2013年03月10日

治験責任医師の交代と同時期に生じる説明文書の改訂、再同意について

<< 質問 >>321p

質問番号:2012-45 治験責任医師の交代と同時期に生じる説明文書の改訂、再同意

治験責任医師の交代と治験薬概要書改訂版の提供時期が時期的に重なったために、現在の治験責任医師(以下、旧治験責任医師)への被験者への説明文書の改訂依頼と、これから治験責任医師になる医師(以下、新治験責任医師)への説明文書の作成依頼を行います。

新旧治験責任医師それぞれと相談の上、同一版の説明文書改訂版を作成することは問題ないでしょうか?

それとも、新旧治験責任医師がそれぞれ別版の説明文書改訂版を作成し、両方とも治験審査委員会の承認を取得するべきでしょうか?

治験責任医師の交代、治験薬概要書改訂版及び説明文書改訂版に対する治験審査委員会の審査は同じ時期に行われ、実施医療機関の長による指示決定通知が速やかに発行されると思いますが、治験責任医師変更に関する覚書の締結は1カ月先になりそうです。

説明文書の改訂箇所である新たな安全性情報については、被験者へ速やかに説明してもらい、口頭同意は取得します。

しかし、新旧治験責任医師で同一版の説明文書改訂版を作成した場合には、当該改訂版を用いての文書での再同意取得は、上記覚書締結後となりますので、多少遅くなります。




<< 製薬協の見解 >>

「治験責任医師の変更」、「治験薬概要書の改訂」、「説明文書の改訂」を同時期の治験審査委員会で審査されるとの前提で、被験者への継続意思確認方法について考え方を示します。

今回の治験薬概要書改訂に伴う、説明文書に記載する安全性情報等の内容について新旧治験責任医師にて協議の上、説明文書の改訂版を作成されることは問題ないと考えますが、説明文書に記載する治験責任医師名としては、被験者に治験責任医師が交代する旨を説明すれば、新治験責任医師名のみを記載することでも差し支えないと考えます。

また、治験薬概要書の改訂内容が、GCP第54条第1項に規定されている「治験に継続して参加するかどうかについて被験者の意思に影響を与えるものと認める情報」に該当する場合には、治験責任医師は当該情報を速やかに被験者へ伝え、治験参加の継続意思を確認する必要があります。

従いまして、治験審査委員会の審議を待たずに被験者の継続意思確認を実施し、治験審査委員会にて承認後に改訂版説明文書を用いて再同意を文書にて取得することで問題ないと考えます。

また、本件に関しては、治験責任医師の氏名のみが変更される説明文書の改訂における、治験審査委員会の審査の必要性(2008-05)と被験者の再同意の必要性(2011-32)についての過去の見解もご参照下さい。


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2013年03月02日

署名済み同意文書と説明文書の保存形態

<< 質問 >>320p

質問番号:2012-43 署名済み同意文書と説明文書の保存形態

国際共同治験を実施している治験依頼者Aより、同意文書及び説明文書の取り扱いについて、日本式の「説明文書の原本と同意文書の写しを被験者に提供し、同意文書の原本のみを施設に保管する」ことがICH-GCPの手順に従っていないため、米国FDAによる査察が入った際に指摘される可能性があるので、従来の同意取得時の文書保管方法を変更してほしいとの依頼がありました。

ICH-GCPの4.8.11 によると、同意文書及び説明文書(informed consent form)の写しを被験者に提供することとなっているので、原本は治験責任医師が保存すべきだというのです。

ここでいう「informed consent form」はICH-GCP 1.28に記載されている説明から、日本のGCPでいう「同意文書」ではなく、「説明文書」と「同意文書」が一体となったものという解釈であるとのことです(ICH-GCPでは日本のGCPのように「説明文書」と「同意文書」とには分けておらず、両方が含まれる「informed consent form」としているということ)。


また、治験実施計画書にも、「日付入りの署名がなされたinformed consent formのコピーを被験者に渡すこと」と記載されているので、その原本は実施医療機関で保存してほしいとのことです。

ただ、説明文書を全ページコピーするのは非現実的で、実際の手順としては、説明文書を2部用意し、医療機関に説明文書と同意文書が一体となったものの原本を保存し、被験者には説明文書(2部あるうちの1部)と同意文書の写しをお渡しするということです。


別の国際共同治験の治験依頼者Bでは、治験実施計画書に、「日付入りの署名がされた同意説明文書の原本は治験責任医師が保存し、その写しを被験者に渡す」と記載されていますが、従来の日本式の取り扱い(医療機関には同意文書の原本のみが残る)なので問い合わせてみましたところ、同意文書にはIRBで承認された説明文書の版数が記載
されており、その製本版(冊子)1冊を保存しておけば、被験者に適切な説明文書を用いて説明し提供したことが説明できるので問題ないとの回答をいただきました。


A社の対応についても、説明文書が2部ある時点で、A社のいう「ICH-GCPの手順」に従っていないのではないでしょうか?

A社に他国(例えば米国)ではどのような取り扱いをしているのか伺ったところ、契約書のように、同意文書と説明文書が一体となった2冊の文書に、双方がそれぞれ署名し、各々1部保存しているとのことでした(米国では「複写式の書類」というものが受け入れられないとのこと)。

これも厳密にいえば「ICH-GCPの手順」に従っていないのではないでしょうか?

コピーではないので、双方が保存しているものが同一である証拠はありません。



A社(説明文書が2部ある)、B社(説明文書の原本は被験者に交付するが同意文書に記載された版数で証明できる)どちらの対応も、被験者に渡した説明文書と医療機関に保存している説明文書が絶対同一であるということは言えませんが、それならB社の対応でよいのではないでしょうか(大多数がB社の対応だと思うのですが・・・)。

A社によりますと、実際に指摘されたわけではなく、社内でこのような懸念があるので事前に
対策をしたいとのことです。

米国のように、「ICH-GCPの手順」に従っていない取り扱いでも問題ないのであれば、日本法人からも日本式の対応について説明をし、理解していただくことはできないのでしょうか?

A社の言い分は、原本さえ医療機関に残っていれば、被験者保存分は調査されることはないのでどうでもいい、と言っているかのように感じます。




<< 製薬協の見解 >>

ご質問にも記載されていますように、日本のGCP(GCP省令)では、説明文書と同意文書は一体化した文書又は一式の文書とすることが望ましく(GCP第51条第1項ガイダンス6)、これら説明文書と同意文書の両方が保存対象となります(GCP第41条第2項)ので、規制要件はICH-GCPのそれと同等であると言えます。

しかしながら、説明文書と同意文書(ICH-GCPでいう「informed consent form」)の実際の
保存形態には、国・地域で多少の違いが見られます。

欧米等では説明文書と署名済み同意文書が一体となった形態で保存されることが多く、日本では署名済み同意文書を説明文書から切り離して保存されることが一般的ですが、重要なことは「どのバージョンの説明文書が、同意取得に使用され、被験者へ提供されたかが文書上で明確であるか」だと考えます。


説明文書と署名済み同意文書の原本が一体となった形態での保存以外に、同意取得に使用され被験者へ提供された説明文書(バージョン情報を含む)が同意文書に明記され、治験審査委員会で承認された説明文書と同意文書の見本1セットと署名済み同意文書の原本が保存されていれば、何れもGCP省令のみならずICH-GCPの要件も満たした保存形態であると考えます。


今回のように治験実施計画書に規定がある場合はそちらを遵守いただき、規定がない場合は治験依頼者と協議のうえ対応されることをお勧めいたします。


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2013年02月23日

治験責任医師等の選定承認と治験実施計画書の合意の順序

<< 質問 >>319p

質問番号:2012-42 治験責任医師等の選定承認と治験実施計画書の合意の順序

治験の依頼に際し、実施医療機関及び治験責任医師の選定は、治験依頼者の責務となっています。

また、治験依頼者は、治験責任医師による治験実施計画書の合意を取得することが求めてられています。

治験依頼者のSOPでは、実施医療機関及び治験責任医師の選定の承認をもって、治験責任医師と治験実施計画書の合意を交わす手順を定めている場合が多いように思われます。

手続きの順序として、選定承認結果が出た後に、初めて治験実施計画書の合意取得が可能であるとの認識でしょうか?

または、治験依頼までに、治験実施計画書の合意と実施医療機関及び治験責任医師の選定を行うことが規定され、選定が先で、合意が後、というのような順序は不問であるとしても問題ないでしょうか。




<< 製薬協の見解 >>

GCP第6条ガイダンス2にある治験責任医師及び実施医療機関の選定と、GCP第7条第4項/第5項ガイダンス3にある治験責任医師となるべき者と治験実施計画書の内容とその遵守に関し合意することは、治験依頼のための実施医療機関の長への文書の提出(GCP第10条)までに行われる必要がありますが、その順序についてはGCPで特に規定はありません。

このため、治験依頼者のSOPに従い治験依頼のための文書提出までに両業務が行われていれば、これらの順序については問題にしなくてもよいものと考えます。

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2013年02月16日

実施医療機関からの治験に係る検査の受託

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<< 質問 >>318p

質問番号:2012-41 実施医療機関からの治験に係る検査の受託

治験実施医療機関候補のA病院では、治験実施計画書に規定の画像検査(仮にCTとします)の設備が無いため、近隣のB病院で実施予定と聴取しました(本項目は、治験実施計画書に規定の検査であり有効性・安全性の評価に関わる項目です)。

以前、質問No.2007-08では「実施する検査が、日常診療の範囲内として行うことができない検査を実施する場合」で判断されていましたが、今回のケースでも同様に考えるべきでしょうか?

CT検査は、一般診療でも必要な場合はB病院に依頼しており(治験外でも以前よりB病院とは検査の委託契約あり)、B病院は治験届には記載不要で、(B病院と)治験依頼者との治験契約も不要(GCP39条の2を満たす範囲でA病院とB病院の2者間で契約があれば問題ない)と考えますが、いかがでしょうか?

それとも、B病院も治験行為を実施することになり、治験届への記載、治験依頼者との治験契約が必要と考えるべきでしょうか?





<< 製薬協の見解 >>

ご質問には治験実施計画書に規定された画像検査の有効性・安全性の評価をどちらの病院で実施するかが明記されていませんが、B病院の医師が治験実施計画書に規定された評価基準に従い、画像検査結果を評価するのであればB病院は実施医療機関として治験計画届に記載する必要があります。

B病院の臨床検査技師が検査を行い、その画像をA病院に送付し、A病院の治験責任医師等が医学的評価を行うということであれば、B病院は実施医療機関ではなく、治験計画届に記載する必要はないものと思われます。

A病院の画像検査を委託された医療機関として両病院間で業務委託の契約を締結すればよいと考えます。

契約にあたってはGCP第39条の2並びに質問No.2007-08を参照してください。

なお、医学的評価を行わなくとも、通常とは異なった画像検査の実施方法、撮像条件、検査担当者の要件等が治験実施計画書等で規定されている場合、B病院に詳細な説明、教育を行う必要があることも考えられます。

このような場合は、治験計画届に当該検査受託機関を記載したほうがよいケースもあると思われますので、実施計画書等の規定に照らし、判断されることをお勧めします。

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