■□■ 製薬協作成「治験119」の紹介 ■□■
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<< 質問 >>316p
質問番号:2012-37 系列医療機関の設備を利用した治験薬管理、生体試料の処理・保存
同一経営母体で、以下のような2つの医療機関があります。
・A病院(主に入院患者対象の病院)
・Aクリニック(主に外来専門のクリニック)
今回、Aクリニックで治験を実施しますが、治験薬の管理及び血液検体の処理
(遠心・冷凍)をA病院に委託します。
単に、A病院の設備を借りるのではなく、治験薬の払出し、治験薬の保管・管理業務をA病院の薬剤師(治験薬管理者及び治験薬管理補助担当者)が行い、検体処理についてもA病院職員が
行います。
【質問1】
実施医療機関に対して行う手続きは、以下のみで宜しいでしょうか?
・Aクリニックの治験薬管理手順書に、A病院での管理を明記する。
・AクリニックとA病院とで業務委受託の契約を締結する(治験薬管理、血液検体の処理、記録の保存、直接閲覧の実施等について規定)。
・Aクリニックの治験審査委員会で、上記体制を審査する。
・治験契約は、治験依頼者とAクリニックとの二者による契約とし、A病院は契約者に含めない。
【質問2】
治験計画届上はどのようにするべきでしょうか。
Aクリニックの「その他」の欄にA病院の業務範囲を記載すべきでしょうか。
<< 製薬協の見解 >>
【質問1】
医療法上、薬剤師が行う医薬品の調剤業務は委託できないこととなっています。
また、GCP運用通知第39条第1項/第2項2では、実施医療機関の薬剤師、医師又は歯科医師を治験薬管理者として選任し、当該治験薬管理者の管理・責任の元で治験薬を管理しなければなら
ない旨が記載されています。
このようなことから、A病院に治験薬の管理を委託することはできませんので、Aクリニック内にて治験薬管理者を選任する必要があります。
血液検体の処理・保存の委託につきましては、AクリニックとA病院との間で当該委受託業務に関する契約を締結すれば問題はなく、治験審査委員会の意見を聴くことは必ずしも必要では
ありません。
【質問2】
平成20年8月15日薬食審査発第0815005号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「治験の依頼をしようとする者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取扱いについて」において
、治験計画届への記載事項として以下のように記載されています。
・治験の実施に係る業務の一部を実施医療機関から受託する者〔治験施設支援機関(SMO)〕の名称、住所及び受託する業務の範囲
血液検体の処理・保存の委託については上記受託には該当しませんので、治験計画届に記載する必要はないものと思われます。
★その他の「治験119番」はこちら。
↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/tiken119/
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4)GCP関連問題 GCPに関する試験問題
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●問題1
次の文章は正しいか?
製造販売後臨床試験の際、製造販売後臨床試験依頼者が製造販売後臨床試験責任医師と実施医療機関に通知している重篤ではない副作用等報告(薬事法施行規則第253条第1 項第3号に規
定するもの)は必要である。
(1)正しい (2)間違い
」」」」」」」」」」」」
答え
」」」」」」」」」」」」
(2)間違い
「不要」です。
(GCP省令第56条)
●問題2
以下の文章は正しいか。
臨床研究中核病院等が他の実施医療機関とネットワークを形成した場合、共同で事務局を設置し、治験の契約を行うことができることとした。
(1)正しい (2)間違い
」」」」」」」」」」」」
答え
」」」」」」」」」」」」
(1)正しい
(GCP省令第13条、第38条)
●問題3
以下の文章は正しいか。
あらかじめ、治験依頼者等、治験審査委員会等及び実施医療機関の長の合意が得られている場合は、副作用に関する通知に限り、治験依頼者等は治験審査委員会だけに直接通知すれば、
医療機関へは報告は不要とする。
(1)正しい (2)間違い
」」」」」」」」」」」」
答え
」」」」」」」」」」」」
(2)間違い
正しくは「あらかじめ、治験依頼者等、治験審査委員会等及び実施医療機関の長の合意が得られている場合は、副作用に関する通知に限り、治験依頼者等は治験責任医師及び医療機関の
長に加えて治験審査委員会等に直接通知することができることとした。」
(GCP省令第20条第2項及び第3項、第26条の6第2項、第32条第3項、第40条第1項)
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